InfoStation-3 開発裏話(1)InfoStation-3シリーズの原点 [開発者より]
アイ・ピー・エスのFileMaker Pro(ファイルメーカーPro)用顧客管理システムであるInfoStation-3シリーズは実は販売を目的に開発されたものではありませんでした。
アイ・ピー・エスはホームページ制作を主業務に11年前に立ち上げられました。その際に見積書や請求書の発行が必要になり、最初はファイルメーカー社の前身である「クラリス」の「クラリスワークス」というソフトのワープロと表計算を使っていたのですが、当時はホームページの新規制作ラッシュの時代で仕事が多く、これでは書類ごとにファイルができてしまうので、やがて管理できなくなります。
「クラリスワークス」にはデータベースも含まれていて、これは同社の「ファイルメーカーPro」をシンプルにしたようなものでしたが、もともとデザイナーの端くれだった私には「データベース」の意味さえもわかりませんでした。「クラリスワークス」のデータベースを開いてみても真っ白な画面が出るだけで何をしていいのかもわからないわけですが、サンプルの住所録を使ってみたりするうちに「データベース」がどういうものなのかがうっすらとわかってきました。
それで見様見まねで見積書、納品書、請求書を作ってみたのです。
それはちょうど市販の手書きのもののような感じで社名、内容、数量、金額、合計金額を入力し、見積書、納品書、請求書のレイアウトで印刷するという簡単なものでしたが、当時の私にはそれが精いっぱいでした。
(これに近いものは簡単!見積〜請求として販売しています)
しかし、これは市販のカーボンコピーの見積書、納品書、請求書がデジタルになっただけのことで、顧客数や見積依頼が増えるにつれ、単なる書類の発行だけではなく、「顧客管理」が必要になり、仕事の合間に「クラリス ファイルメーカーPro 3」で本格的な顧客管理データベースの構築を始めることにしたのです。
最初に作ったものは「住所録」と「見積・納品・請求」が連動するもので、現在のInfoStation-3シリーズのようなグラフィカルなインターフェイスでもない、いかにも「ビジネスソフト」という感じのものでした。
それでも、「見積・納品・請求」を発行すると、住所録に入力されている顧客名や住所が自動的に入力され、プログラムとは無縁だった私にはちょっと感動的なものでした。
これが現在のInfoStation-3シリーズの原点です。